All For the Better Life
2020.6~

若者にとっても魅力ある生業の模索は、日本だけでなく東南アジアに共通する課題です。インドネシア各地の若手生産者さんによるブランディングや商品開発のお手伝いをしています。

日本だけでなくインドネシアにおいても、若者の農業離れ、都市への人口集中により農業人口の減少が生じています。また、それに伴う担い手の高齢化・後継者不足も起こっています。農業の生産基盤の劣化が進むと、食料生産の安定供給、安全な食料の生産が難しい状況になることも懸念されます。

若者にとっても魅力ある農業の模索は、日本やアジアの農業に共通する課題です。そこで、私たちはインドネシア・スラウェシ島で、魅力ある農業の形成、及び、農業をよりどころにした地域資源を活用した産業の創出に奮闘している若手の生産者さんを紹介していきたいと思います。

非常に独特の香りをもつ希少コーヒー豆「 KOPI JANTAN 」

バラキア村のコーヒー農家

イルサンディ氏

“Cuma segelas kopi yang Bercerita kepadaku bahwa yang hitam tidak selalu kotor dan yang pahit tak selalu menyedihkan”.

一杯のコーヒーが、黒というのはいつも汚れているわけではなく、苦味がいつも悲しいわけではないことを教えてくれます

インドネシアの南スラウェシ州シンジャイ県で生産されるコーヒーはアラビカ種です。その中でも「ピーベリー」と呼ばれる偶然に種が一つである非常に希少なコーヒー豆があります。      コーヒーの実はチェリーと呼ばれ、その種子が珈琲豆そのものです。普通は、半円形の2つの種が向き合うように入っているのですが、ごくたまに小粒の種がひとつだけになってしまうことがあります。これがピーベリーです。現地では「KOPI JANTAN」呼ばれています。そのフルーティーな優しい酸味と、非常に独特の香りを持っています。

西シンジャイ県バラキア村で出会った若きコーヒー農家の イルサンディさんは、手作業でコーヒー実の熟度を確認しながら一粒一粒丁寧に手摘みしていきます。完熟したコーヒーの実だけを摘み取るには、実に高い技術を必要とします。さらに、そうした高い技術にくわえて、「ピーベリー」コーヒーを集めるには根気が必要とされます。

イルサンディさんの言葉からはコーヒーへの愛情が感じられます、『黒色というのはいつも汚れているわけではなく、苦味というのは、いつも悲しいわけではないことを一杯のコーヒーが教えてくれます』


肥沃でない土地の重要な生産植物「 サトウヤシ」から伝統製法でつくる「Gura Aren」

シンジャイ県のパームシュガーは、オリジナル・ジンジャー・コーヒーなどのフレーバーがあります。Gula semut aren Sinjai juga merupakan salah satu produk oleh-oleh masyarakat sinjai Ada bebera varian rasa yaitu : orginal, jahe dan kopi.

南アジアでは砂糖を得るために商業的に栽培され、サトウヤシから作った砂糖はインドネシアではグラ・アレン (gula aren) と呼ばれています。サトウヤシとは、インドネシア、マレーシア原産のヤシ科クロツグ属の木です。ナタデココのような食感の果実は、シロップ漬けにしたり、花序液(かじょえき)はそのままヤシジュースとしてのんだり、煮詰めて砂糖(パームシュガー)をつくるなど余すところなく利用される植物です。サトウヤシの樹液を様々な用途で活用したり、食料として、あるいは伝統工芸品の材として、利用してきました。

現地のサトウヤシはほとんどが自生で、農家はめったに植えたり栽培したりしきませんでした。

しかし近年では、サトウヤシのもつ土壌と水の保全機能にも注目が集まり、肥沃でない土地の生産植物として再評価されています。

そして、南スラウェシ州の・・・コミュニティでは伝統的な方法で砂糖づくりが行われています。まず、サトウヤシの樹液成分を採取し、布で濾します。そして、樹液中の水分がなくなるまで約3時間かけてゆっくりと火にかけ、粘り気がでてきたら、冷やして乾燥するまで攪拌します。

さらに伝統的なグラ・アレンだけではなく、若い世代の人たちにも親しんでもらおうと、ショウガやコーヒーのフレーバーの製品を模索中しています。


女性農業グループによる乾燥唐辛子、唐辛子パウダー、唐辛子ペースト、唐辛子ソースの多様なに加工品づくり

シンジャイ県の唐辛子農家は、これまで新鮮な唐辛子を販売するだけでした。しかし、唐辛子の価格は、市場の需要によって常に変動します。例えば、休日には唐辛子の価格が高くなる傾向があります。そして収穫時期には、価格は非常に安くなります。しかし、生鮮食品である唐辛子の出荷を遅らすこともできません。

そこで女性農民グループは、唐辛子を加工することで農産物に付加価値を付けようと試行錯誤を行ってきました。

これまで乾燥唐辛子、唐辛子パウダー、唐辛子ペースト、唐辛子ソースなどの多様な加工品を作ってきました。このように加工品を作ることで、農作物の価格が急落したときの農家の損失を減らし、さらには農業収入を増やすための副業になり得る可能性を日々模索しています。

しかし、まだまだ課題は残っています。安定した品質、豊富な種類、そしてパッケージなどのデザインを工夫し、女性グループの挑戦はまだまだ始まったばかりです。


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